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今、シンガポールに銀行口座を開設すべきか

**シンガポールは「東洋のスイス」ではない**

 

 

歴史から学ぶ「シンガポールの弱み」

 シンガポールの歴史を知ったとき、歴史を学ぶことの大切さが改めて身にしみた。歴史を知らなければ、現在同国が享受しているかに見える経済的繁栄や、根拠のよくわからない国際競争力ランキングでの高さに惑わされてしまったことだろう。けれども、その歴史について片鱗でも知っているなら、この国の脆弱さは明らかだ。親シンガポール的な著者による簡便な歴史読物にさえ、その事実は隠れもなくあらわれている。

 

「隠れ反日国家」シンガポール

 日本人にとってまず気になることは、この国が潜在的な反日国家であるということだ。例えばシンガポール航空は日本でも人気の高いエアラインだが、日本人乗客の少ない路線では、機内で「戦時中の日本軍による残虐行為」に関する番組を上映している。この会社の主要株主が政府系ファンドであり、実質国営と言ってもいいことからすれば、これは根の深い問題だ。

そもそも無人に近い小島をイギリスが開発したことから始まったシンガポールには、植民地支配に関する苦い記憶はない。従って同国にとっての苦渋の歴史とは、「日本軍による占領時代」以外にないのだという。

 さらに注目するべきは、シンガポールの建国・独立は決して望まれていたものではなく、イギリスからの独立間もないマレーシアから言わば「追い出された」結果であったという事実である。

このとき、リー・クアンユーは、シンガポールが生き残るために「悪魔に魂を売ってでも経済発展をしなければならない」と誓ったということだ。その路線を忠実に踏襲し、現在、われわれの前に立ち現れているシンガポールには、守るべき文化も理念も伝統的倫理さえもない。それは、経済成長と効率だけを追い求めて促成栽培された、いびつな都市国家の姿だ。

 

シンガポールは日本人資産を守りきれるか

このような歴史的背景を考慮したとき、おのずと沸き起こってくる疑問がある。

平時はともかく、将来、中国が軍事力を背景にシンガポールを恫喝し、同国における日本人資産を危うくしようと試みるとしたら、シンガポール政府は毅然とした態度でこれを退けるだろうか、という疑問である。

なにしろ「経済発展のためなら悪魔に魂を売る」と言った国である。四方を海に囲まれ、食糧はおろか水さえも自給できないこの都市国家が、「これからは中国だ」と見るや日本人顧客に対する信義をかなぐり捨てることは、決してあり得ないことではないだろう。

 

シンガポールは「アジアにおけるスイス」ではない

ところが、インターネット上では、シンガポールでの銀行口座の開設を奨めているサイトが相変わらず数多く見受けられる。「国際金融センター」としてシンガポールとスイスが同列に論じられることさえある。香港では不穏な動きがあるし、その上シティバンクが個人金融部門から撤退するとなると、シンガポールを「東洋のスイス」として持ち上げる傾向は今後ますます強まるだろうと予想される。

しかし、歴史を見れば両者の違いは明らかだ。シンガポールの発展が経済効率を追い求めるだけの促成栽培のごときものであったのに対して、スイスでは「契約への信義」という倫理に基づき、数百年という歴史によって今日の地位を築いた。フランス革命からナポレオン戦争、ナチスドイツの台頭といった嵐をくぐり抜けて顧客の資産を守ってきたのがスイスの銀行なのである。今後、日中関係がいかに悪化しようと、スイスが中国の恫喝に屈するようなことは決してないだろう。

世界の地政学的なリスクが高まっている今、日本人が長期的な資産の運用・保全を目的として海外に銀行口座を開設し、金融資産の一部を移すとすれば、シンガポールでの銀行口座は避けたほうがいい。マスコミで報じられているような同国の表面的な成功に惑わされてはならない。外見的な華やかさとは裏腹に、その脆弱性はいかんともし難い。

数世紀にわたりいかなる国際紛争にも中立を保ってきた「永世中立国」との差は歴然としていると知るべきである。

 

 

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